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【Cisco Systems】IOS-XE搭載スイッチのEoL

はじめに

IOS-XEを搭載する初めての普及モデルのスイッチ、Catalyst 4500-Xシリーズ、Catalyst 3850シリーズのEoLが目前の2025年10月31日に迫っています。これを皮切りに一足遅れてリリースされたCatalyst 3650シリーズも来年よりEoLを控え、IOS-XEの第1世代とも呼べる製品が終息へ向かいます。

既に多くの環境でリプレイスが進められており、当社にも多くのご用命を頂戴しています。

今回の記事では、各モデルのリプレイスに向けて、既存のIOS-XEバージョンや機能、ライセンス等の差異についてお送りさせて頂きます。

【EoS/EoL】Catalyst 4500-X Series Switch

一定規模のコアスイッチや、ディストリビューションスイッチとして、多くのエンタープライズ環境で使用されていたと感じます。4500シリーズが1シャーシで7~14RUを占有するのと比較して、4500-Xは1Uのモデルであったため、占有するラックスペースを大幅に削減可能でした。

VSSにも標準で対応し、FANや電源モジュールのエアーフローも指定可能であったことから、Nexusではなく4500-Xで、サーバーなどを10Gで終端するケースもお見受けしました。

Catalyst 4500シリーズ、Catalyst 6500シリーズと同時にEoLを迎えます。

販売終了日:2020年10月30日
サポート終了日:2025年10月31日

IOS-XEの最終バージョン:3.11.x

【後継機種】Catalyst 9500/9500X Series Switch

後継のCatalyst 9500シリーズでは、25G/40G/100G/400Gなどの高速インターフェースにラインレートで対応し、次世代のASICを搭載しています。

【EoS/EoL】Catalyst 3850 Series Switch

Catalyst 3750-Xシリーズの後継に位置付けられ、IOS-XEを搭載してリリースされました。アクセススイッチにカテゴライズされますが、比較的小規模な環境ではコアスイッチやディストリビューションのスイッチとしても利用され、IOS-XEを多くの環境へ普及させた立役者ではないでしょうか。

mGigやUPOEといった機能に対応したモデルもリリースされ、アクセスレイヤーにおいては定番の選択肢であったと感じます。また、現在のSmart Licensingに対応した初めての世代であり、運用の利便性や操作性などは後継のCatalyst 9300シリーズにも引き継がれています。

EoLはFiber SKUsと他のモデルで異なり、定番のRJ-45インターフェースを搭載したモデルは、2025年10月31日にEoLを迎えます。

RJ-45モデル

販売終了日:2020年10月30日
サポート終了日:2025年10月31日

IOS-XEの最終バージョン:16.12.x

Fiber SKUs

販売終了日:2022年4月30日
サポート終了日:2027年4月30日

IOS-XEの最終バージョン:16.12.x

【後継機種】Catalyst 9300/9300X Series Switch

Catalyst 3850の操作性や利便性を損なわずに、1G/10G/25G/40G/100GやmGigのアップリンクにも対応。アップリンクのインターフェースや要求帯域に応じて、豊富なモデルから選択可能です。

【EoS/EoL】Catalyst 3650 Series Switch

Catalyst 3560-Xシリーズの後継に位置付けられ、IOS-XEを搭載してリリースされました。Catalyst 3850と同様にアクセススイッチにカテゴライズされますが、こちらはスタッキングがモジュールがオプションであるなど、よりクライアントデバイスなどの終端へ近いモデルで、アップリンクも固定となっています。

3650は3850の後にリリースされ、EoLも3850の1年後となっています。また、奥行きが短くオフィス環境でのノイズも考慮されたMiniシリーズが追加でリリースされていますが、このモデルは2028年までサポートが提供されます。

Mini以外のモデル

販売終了日:2021年10月31日
サポート終了日:2026年10月31日

IOS-XEの最終バージョン:16.12.x

Mini

販売終了日:2023年5月31日
サポート終了日:2028年5月31日

IOS-XEの最終バージョン:16.12.x

【後継機種】Catalyst 9300L/9300LM Series Switch

ダウンリンクのPoEや1G/10G/25G/40Gの固定アップリンクに応じて、モデルを選択可能です。

【リプレイス時の注意】Catalyst 9200への入替

Catalyst 9000シリーズには、上記までに挙げたモデルと別に、9200シリーズが存在します。Stacking ModuleやStacking Cableが3650と同じ形状をしており、3650シリーズの後継と捉えてしまっている方も少なくないようにお見受けします。

スタッキング可能なLayer 2スイッチとして使用する場合にはあまり大きな問題となりませんが、特に、Layer 3を使用するCatalyst 3650などからCatalyst 9200シリーズへ入替を検討する場合、以下のような事項に注意が必要です。

Catalyst 9200はBGPに非対応

例外的にC9200CXはIOS-XE 17.13.1からBGPに対応していますが、その他の9200シリーズモデルはBGPを使用できません

筆者はあまり多くの事例をお見受けしていないのですが、広域網やクラウドサービスなどの接続に対して、NATやTunnelingは必要ないが、RoutingにBGPを使用するなどのケースにおいて、処理する経路数が比較的少数の場合では、ルーターではなくワイヤーレートが保証され比較的安価なL3スイッチとして3650を採用している環境があります。

当社が直近で頂いた事例では、Equinix様のデータセンターで、ECXでMicrosoft Azureへ接続している3650のリプレイスをご依頼頂いたのですが、ご支給を頂いた機種が9200Lのモデルでした。当然ながらBGPに対応せずルーティングが成立しないため、改めて9300Lをお求め頂いた後に、更改作業を実施させて頂きました。

Catalyst 9200のVRF

リソースが強化された”PB”型番のモデルは32 VRFに対応していますが、その他の9200シリーズモデルは1または4 VRFまでとなっています。

Catalyst 9200シリーズはCatalyst 2960-Xや2960-XRの後継と位置づけられているため、3650や3850などLayer 3スイッチからのリプレイスについては、特に機能要件に合わせた慎重な選定が必要になります。

このような環境に限らず、モデルの選定についてはデータシートを熟読し、判断をしかねる事案についてはご懇意のリセラー様やディストリビューター様へご相談頂くことを、強く推奨いたします。

【リプレイス時の注意】IOS-XEバージョンの差異

3850や3650で使用可能なIOS-XEの最終バージョンは、16.12.xとなっています。この記事の執筆時点では、Catalyst 9300/9200の推奨バージョンは17.12.xであり、メジャーバージョンを含む多くのアップデートが重ねられています。

この中で、過去の記事でも取り上げさせて頂きましたが、特に考慮すべき機能の差異について、以下に列挙させて頂きます。

Flexlinkは使用不可

現在サポートされているIOS-XEバージョンでは、Flexlinkがサポートされていません。

IOS-XEを適切にアップグレードしていた環境では既に対処済みの問題になりますが、一部にはアップグレードが一切行われず、バージョンが導入時点のままとなっているものも存在しているかと思います。

このような環境では、「現状と同等」を要件とした更改を行うことができないため、構成の変更を含めてご検討を頂く必要が御座います。

Smart Licensingへの対応

こちらもSmart Licensingが不要な16.6.xなどのバージョンが使用されている場合のみの問題ですが、現在サポートされているIOS-XEバージョンではSmart Licensingが必須となっています。しかし、3850/3650の最終バージョンである16.12.xと異なり、現在のサポートバージョンはCSLUに対応しているため、サブスクリプションライセンスを使用しない環境などでは初回のReportingのみで運用することも可能です。

このように、ライセンスのために広域網と通信できないエアギャップな環境へも配慮がされていますので、他のCisco機器などで使用するライセンスと合わせて、適切な認証方法をご選択頂ければと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。

4500-X/3850/3650を筆頭に、IOS-XEを搭載したBOXスイッチのシリーズが初のEoS/EoLを迎えることになりました。

筆者が初めてIOS-XEに触れたスイッチは4500-EのSUP 7-Eでしたが、リリースされたばかりの頃はOSとしてあまり成熟した状態でもなかったため、現用のクリティカルな環境へは導入が進みませんでした。しかし、Catalyst 6500でのみ使用可能だったVSSが使用できるようになったことを契機に、特に4500-Xと共にIOS-XEの導入が進んだように感じます。

この後、3850/3650とBOX型スイッチのリリースが続き、今の9000シリーズまで多くの環境でIOS-XEが普及していることを考えると、とても感慨深いものがあります。現在では、SD-Accessはもとより、クラウドプラットフォームであるMerakiからのモニタリングにも対応するなど、運用管理の利便性が向上しています。あらゆる規模や環境にスタンダードなOSとして進化を続けるIOS-XEを、是非とも皆様の環境でご利用頂ければと思います。

この記事が、ご覧いただいた皆様へ少しでもお役に立てば幸いです。

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